「歴史・文化」を訪ねる
ふるさとを一番に思い 多大な貢献をした偉人「結城豊太郎」
かつて、こよなく赤湯の街を愛した「結城豊太郎」という人物がいました。
結城豊太郎翁は明治10年に赤湯の酒造業結城家の長男として生まれ、元大蔵大臣(昭和12年2月2日~6月4日)、第15代日本銀行総裁(昭和12年7月27日~昭和19年3月18日)を歴任しました。
当時から赤湯は有名な温泉地でありましたが、飲み水や防火用水に苦労していました。そこで結城豊太郎翁は、東京帝国大学の同級生「万 宣(ばん よろし)氏」の調査によって水源を見つけ、水道敷設を決意したと言われています。そして、水道工事が始まると赤湯のために費用の一部を寄付しました。
結城豊太郎翁は「ふるさとは国の本なり」という信念を持ち、ふるさとの青年達を育てようと生家に「風也塾」を開き、学びの舎をつくり人材育成に励みました。
また、町を発展させるには、第一に人づくりが大切と考え、教育施設として昭和13年に「臨雲文庫」という図書館を開館しました。
臨雲文庫
ふるさとのために多大な貢献をした結城豊太郎翁は昭和26年8月1日に75年間の人生の幕を閉じました。
南陽市は結城豊太郎翁の生涯の足跡を残そうと、昭和42年4月に「臨雲文庫」を、「南陽市立結城記念館」と改めました。
平成7年4月に新しく現在の「南陽市立結城豊太郎記念館」を建てましたが、敷地内には「臨雲文庫」が今もなお残っていて、現在は生涯学習の学びの場となっています。
現在、「南陽市立結城豊太郎記念館」には、書籍や古典が10,000点ほど保管されています。その一部が展示してあり、見学することができます。結城豊太郎翁の業績や生涯をたどり、生き方を学ぶことができます。
南陽市立結城豊太郎記念館
1階は結城豊太郎翁を紹介している映像、2階は結城豊太郎翁が寄贈した万巻の書籍、書幅、拓本類を観覧することができます。
館内1階
映像室
2階展示室
また、記念館の表門「臨雲文庫表門」は元々薩摩藩の江戸屋敷にあったとされ、坂本龍馬や西郷隆盛などの明治の志士たちがくぐったと言われています。結城豊太郎翁は「ふるさとの若者たちがこの門を通ると必ずや高志を抱く人間になるだろう」という思いで、井上準之助氏(元大蔵大臣・第9代、第11代日本銀行総裁を歴任)の遺族から譲り受け、昭和10年に移築しました。
臨雲文庫表門
結城豊太郎記念館は赤湯温泉街にあります。赤湯温泉に訪れた際は、まち歩きをしながら是非、立ち寄ってみてください。
【結城豊太郎記念館】
<入館料> 無料
<開館時間> 9:00~16:30(※受付は16:00まで)
<休館日> 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合その翌日、翌々日)年末年始(12月29日~1月3日)
<駐車場> 8台
<お問い合わせ>
住所:〒999-2211 山形県南陽市赤湯362
TEL:0238-43-6802
※バリアフリートイレ・エレベーター有ります。
※10分程度の映像を視聴後、館内の見学をすることをおすすめします。
※結城豊太郎記念館の中は撮影禁止となっています。